オシラサマ

イタコが執り行う神事『オシラサマ』

オシラサマとは?

現代のシャーマンイタコについては「東北地方のシャーマン『イタコ』の仕事」で紹介しましたが、イタコは巫女でもあるため神事を執り行っています。このイタコが執り行う神事の中でも最も有名な神事が『オシラサマ』です。

オシラサマは農業と養蚕を司り、東北地方の中でも特に青森県と岩手県を中心に信仰を集めている神様で。主に村の旧家で祀られていることが多く、生活の中に根付いた神様がオシラサマです。

オシラサマの御神体は30cmほどの木の棒の先に男女や馬の顔が描かれていたり、彫られており、これにオセンダクと呼ばれる布の衣を着せたものです。


オシラサマ

オセンダクは年に1回か2回新しい衣を上から重ねていくため、年数を重ねたオシラサマは上の写真のように着ぶくれしてしまいます。驚くことに現存する最も古いオシラサマは室町時代のものであるといわれています。

オシラサマは遊ぶことが大好きで、オシラサマはたくさん遊んでくれた家庭や地域に恩恵をもたらしてくれると信じられています。そのために行われるのが『オシラアソバセ』という神事で、このオシラアソバセにおいてイタコは非常に重要な役割を担います。

神事『オシラアソバセ』

オシラアソバセではイタコが2体のオシラサマの御神体を手に持ち、舞を躍らせながら祭文という唱え言を奏上します。

そしてこのオシラアソバセには破ってはいけない『禁忌』が数多く存在します。オシラサマは肉や卵を嫌うのでお供えはもちろん、人間が食べるのもはばかられ、オシラアソバセ当日は肉食厳禁となります。また、イタコが来ない家庭ではその家の主婦がこのオシラアソバセを行いますが、決して男性や他家の人間がしてはいけません。

これらの禁忌を破ったり、オシラサマを粗末に扱うと大変な罰や祟りに合ったという伝承も数多く残っています。生活に根付いた身近な神様であると同時に畏怖される存在でもあるオシラサマ。

かつてはどの家庭でもオシラアソバセが行われていたものの、現在ではオシラアソバセを行う家庭は徐々に減っているようです。青森県弘前市の久渡寺(くどじ)で毎年5月に行われるオシラアソバセは国の無形民俗文化財に指定されています。



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