
北海道開拓民に迫る人食い羆(ヒグマ)-史上最悪の獣害事件「三毛別羆事件」-前編
羆による史上最悪の獣害事件
北海道北西部に位置する苫前町(とままえちょう)の中心部から山間部に30kmほど踏み入った場所でいまから100年程前に凄惨で恐ろしい史上最悪の獣害事件「三毛別羆事件」が起きたのである。
大正4年(1915年)12月に発生した「三毛別羆事件」ではわずか6日間で8人が死亡、2人が重傷を負い、半壊した民家は10軒にのぼる。地震や雪崩などの災害ではなく、冬場は雪に閉ざされた小さな山村に、一頭の巨大な羆(ヒグマ)によって引き起こされた獣害事件である。最近でもクマによる被害がニュースで紹介されることもあるが、これだけの被害が発生した事件は類をみない。
開拓民に迫る不気味な影
それまでは未開の地も少なくなかった北海道では、明治後半から大正にかけて開拓が盛んにおこなわれるようになった。
事件が起こった三毛別六銭沢村(ろくせんざわむら)もそんな開拓地のひとつで、開拓民は小さな山村をつくって開拓をしながら暮らしていた。
三毛別六銭沢村には20軒あまりの小さな家が建っていたが、電気や水道もなく、開拓民自らが建てた茅葺き屋根の家はどうにか雨風をしのげる程度の粗末な家でしたが、村人たちは厳しい北海道の自然の中でも力を合わせて暮らしていました。
事件の発端は、ある民家の軒下に干してあったトウモロコシを一頭の巨大なヒグマが漁りにきたことだった。
村人はすぐさまヒグマをめがけて発砲したが、仕留めることはできず、手負いのヒグマを山中へ逃してしまった。手負いの獣ほど恐ろしいものはなく、それから数日後の白昼に悲劇は突然として幕を開けてしまう。
早朝から山に出かけていた村人が昼食をとりに家に帰ると、普段ならにぎやかな子供の声が外まで聞こえてくるのだが、家の近くまできても静まり返っており、家の周囲にはかすかに血の臭いが漂っていた。不穏な空気を感じたまま急いで家の中に入ると、囲炉裏の側には喉をえぐられて変わり果てた姿になった子供が横たわっていたのだ。
家の外壁は一部が壊され、荒らされた屋内にはあちこちに血が飛び散る凄惨な場となっていた。ところが、子供と一緒にいたはずの母親の姿はどこにもなく、雪原には血痕と何かを引きずったような跡だけが林に向かって続いていた。
被害の凄まじさから、それがヒグマの仕業であるということは疑いようはなかった。事件の翌朝に捜索隊が付近の林の中で発見したのは行方不明になっていた母親のものらしき足と頭部の一部だけだった。
後編に続く⇒北海道開拓民に迫る人食い羆(ヒグマ)-史上最悪の獣害事件「三毛別羆事件」-後編

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